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世界遺産

泰山は山東で最も賞讃に値する名山で、山東省泰安市にあります。
主峰の皇帝頂は海抜１，５４５ｍで、山の姿は雄大かつ壮麗で“五岳之首”“天下第一の名山”と呼ばれていて、その地位の高さを想像できます。
多くの中国人が泰山に登ることを誇りとしています。泰山は中華民族の象徴で、悠久で燦爛たる東方文化の縮図です。
泰山は自然の風光が優美です。ここには険しい山、渓流、瀑布、古い名木があります。ここには東海の日の出の壮麗な奇観、きらびやかな夕焼け、雄大に波打つ雲海、美しい朝焼けの光の輪、仙境にいるかと思わせる山頂の樹氷の奇観もあり、無窮の魅力に満ちています。泰山の風景区には１５６の峰、１３８の崖、７２の洞穴、７２の奇石、１３０の渓谷、６４の滝壺、７２の泉、一万株以上の古い名木があります。春、連山は翆緑と満山の花で泰山はまるで一際美しい少女のようで、楚楚として、人を感動させます。夏は、泰山の千尺の瀑布と、透き通った淵の水、沸きあがる松風、仙境のような雲海が清清しく美しい世界を感じさせます。秋は泰山の紅葉は火のようで、情熱的で豪快かつ爽やかです。冬泰山は大雪に覆われ、梅の花がその下で咲き、その神秘的な景色はうっとりとさせます。大自然は不思議で、秀麗で、壮麗な景色を泰山に賦与し、麓から山頂まで景色が一様でなく、“冥土”“現世”“天国”の三重の空間を形成し、岱廟から上り始めて、だんだんと佳境に入り、“人間世界”から“神仙の世界”へと入って行きます。

　泰山の歴史と文化は悠久で、古代泰山は東方の標識とされ、天の神の住む所とされ、社会の安定、国家の繁栄、民族の団結の象徴と看做されました。帝王や将相は無論のこと、名人、学者から普通の庶民までみな泰山を敬慕し、泰山を高大、重厚、尊厳、進取、不屈の向上精神の象徴としました。泰山に登ることは困難に挑戦すること、自我を超越する事の象徴で、誇りとすることでした。中国古代の各王朝の君主は泰山を天の下の最高の山と考え、君主になるとこの山に行き天を祀り、天の神の功績に報いるべきだと考えました。これを「封」といいます。また泰山の麓の梁父という小山を掃き清めて、ここで地の神を祭り地の神の功績に報いました。これを「禅」といいます。両者を併せて封禅といいます。それで吉日を選んで泰山に来て封禅をおこないました。秦の始皇帝は、中国の歴史上最初の皇帝で、また最初に泰山に登った皇帝です。彼は当時の六国を統一した後、泰山に来て封禅を行い、統一を守ることと、統一政権を強化することを表明しました。秦の始皇帝は泰山に登った後、たくさんの石を刻み、彼の豊かで偉大な功績を記録して残しました。秦の始皇帝が泰山に登ったあと、以後の君主の大部分はみな泰山に登ることを重大な活動と看做し、ほとんどの皇帝が泰山に登り、自分の功績を石に刻んで残し、多くの文物を残しました。
このほかにも、多くの文人墨客が次々と泰山に来て、その立派な作品を鑑賞し、自らも千秋に伝わる詩文詞賦を残しました。孔子もまた泰山に登り“登泰山而小天下”の感慨を発しました。唐代の大詩人杜甫、李白など、多くの文人、詩人も泰山に登りました。泰山に登った何人かの韓国の人も帰国後泰山を賛美する文章を書き、泰山に多くの文化的色彩を添えました。
泰山の書道資源は非常に豊富で、歴代の碑刻、墨跡が山全体に広がっています。泰山南麓の経石刻は“榜書之宋”“大字の鼻祖”と呼ばれ、泰山岱頂の“紀泰山銘”唐朝幻想皇帝の親筆の書で、山道の両側の歴代の帝王、名流と大書道家が賞賛した孔子の墨宝は、思わず人をすばらしい！と叫ばせます。

古人の泰山での活動は泰山に多くの歴史遺跡を残しました。泰山の麓の岱廟は国最大の宮廷式古建築群で、泰山に現存する碑刻と摩崖石刻は２５００余、石窟造像１４箇所、文物の所蔵品は一万余件です。泰山の一峰、一嶺、一木一草はほとんど古代人によって名前がつけられ、あるものには不思議な伝説があります。中国のたくさんの成語、俗語は泰山と関係があります。例えば“重きこと泰山の如し”“穏やかなること泰山の如し”“有眼不識泰山”（人を見る目がない）などです。中国人にはある方面での権威ある人物を“泰斗”と呼ぶ習慣があります。泰山の中国人の心の中の地位は他のどの山をもってしても替えることはできません。
泰山は優美な自然の風光とともに、豊富な人文景観があり、このため“世界自然と文化の遺産”に組み込まれました。ユネスコのルーカス氏は泰山を視察した時、驚嘆の声を上げるのを禁ずることができませんでした。“世界遺産はそれぞれ異なる特色をもっている。ある物は自然の、あるものは文化の。しかし泰山は自然の景観と人文の景観を独特に結合させひとつにまとめている。これは中国の世界人民に対する非常に大きな貢献だ。”泰山はその独特の魅力で、毎年大勢の中外の旅行者を観光、或は文化の探索のためにこの地に引き寄せています。

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